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オルタナティブデータとは何か、わかりやすく解説!
Column

- オルタナティブデータで生まれる、新しい資産運用のかたち -

皆様こんにちは。
株式会社 Japan Asset Managementです!

さて、皆様は「オルタナティブデータ」をご存知でしょうか。

 

企業の財務情報や国内外の経済指標などの様々なデータは、投資判断を行う上で非常に重要です。
近年、急速にAIなど情報技術の発展が進む中で、本タイトルにもある「オルタナティブデータ」に注目が集まっています。オルタナティブデータとは、一体どのような「データ」なのでしょうか?

今回はこの「オルタナティブデータとは何か」わかりやすく解説していきます!

 

【目次】
  • オルタナティブデータとは
  • なぜオルタナティブデータが注目されているのか
  • オルタナティブデータの活用例
  • オルタナティブデータ活用のメリット・デメリット
  • まとめ

 

 

オルタナティブデータとは

これまで活用されてこなかった代替的(=alternative)なデータ全般のことをオルタナティブデータ(Alternative Data)と呼びます。
オルタナティブデータの代表例には、「クレジットカードデータ」や「POSデータ[1]」「衛生情報」などが挙げられます。

 

一方、従来投資判断に使われてきたデータのことをトラディショナルデータ(Traditional Data)と呼びます。
トラディショナルデータの代表例は、「経済統計(GDP、国勢調査、商業統計など)」や「企業の決算情報」などが挙げられ、インターネット上などで一般開示されていることが多く、比較的簡単に誰でも手に入れやすいです。

また、経済統計は調査・集計されてから発表されるのに数ヶ月かかる傾向にあるため、情報の速報性が課題です。


※[1] POSデータ…Point Of Salesの略で、レジで商品が販売された際に記録され、どの商品がどの時間に、どの場所で、いくらでどのくらい売れたのかを見ることができます。

 

 

なぜオルタナティブデータが注目されているのか

世界でオルタナティブデータへの関心は急速に高まっています。

図1は、オルタナティブデータプロバイダ(データを提供する企業)数の1990年〜2018年の推移を表しています。プロバイダ数は年々急激に増加し、オルタナティブデータ市場は年々拡大していることが見て取れます。

 

なぜオルタナティブデータが注目されているのでしょうか。

図 1
出所:Alternativedata.orgより画像引用
(世界におけるオルタナティブデータを提供するデータプロバイダは、年々増加していることがわかる。)

 

インターネットが大衆化される前の21世紀以前、企業の財務情報など投資判断に用いられるデータは誰でも検索して入手できるものではありませんでした。
証券会社や機関投資家などの一部の企業のみそれらのデータを事前に収集・分析することができたため、現在トラディショナルデータと言われる情報でさえ当時は情報価値が高い時代でした。

2000年以後、企業の財務諸表や政府の統計情報といった開示情報は、インターネットで検索するだけで、誰もが簡単に入手できるようになりました。その結果、今までのトラディショナルデータだけでは優位性が減少し、アルファ(市場全体の騰落率より上回った収益のことを指す。銘柄の選択や売買のタイミング、銘柄を保有する数量などによって超過した収益を狙う。)を生み出すために必要な情報が取りづらくなったのです。

多くの投資家が同じ情報を持っていれば、他の投資家と差別化できる投資をすることができません。そこで、今まで活用されてこなかった、位置情報やクレジットカードデータなどを用いて、投資判断に活用できるアルファ情報を得ようという動きが始まりました。

 

オルタナティブデータの活用によって正確で速い投資判断や投資戦略の差別化につながるという期待感から、注目を浴びるようになったのです。

図 2
出所:Alternativedata.orgより画像引用
(世界のオルタナティブデータの市場規模は年々成長し、現在は約1,700億円以上。)

 

 

オルタナティブデータの活用例

それでは、オルタナティブデータの実際の活用例をみてみましょう。

 

【実例1】 携帯電話の位置情報でテスラの株価上昇の予想

米国のオルタナティブデータプロバイダのTHASOS(タソス)社は、携帯電話の位置情報を用いて、自動車メーカーであるテスラの工場に、どのくらいの工場作業員が工場に留まっているのかを観測しました。通常工場に作業員が多ければ多いほど、生産量が増加していることを意味し、売上が上がっていると予想することができます。

このように、THASOS(タソス)社は位置情報というオルタナティブデータを用いて、テスラの株価が上がる時期を予想することができたのです。

出所:Tesla, Inc.より画像引用

 

【実例2】 衛星画像で、より正確な原油投資の判断ができるように

衛星画像分析を行っている米国スタートアップ企業のOrbital Insight(オービタルインサイト)社は、サウジアラビアの原油タンクを衛星画像で分析した結果、サウジアラビアの実際の石油貯蔵量を把握することができました。

その結果、サウジアラビアの公表する石油貯蔵量と、実際の貯蔵量に差があることが判明したのです。衛星画像というオルタナティブデータの活用により、正確な原油への投資判断が可能になりました。

 

出所:Orbital Insightより画像引用

 

 

オルタナティブデータ活用のメリット・デメリット

世界で注目を集めているオルタナティブデータを活用するメリットとデメリットは何でしょうか。
ここまでの話のまとめとしてメリットを整理し、オルタナティブデータの抱えるデメリットについて解説します。

 

◎メリット


投資判断がさらに正確に、スピーディーに出来る

オルタナティブデータは、位置情報など、現時点のデータをすぐに入手しやすいため、トラディショナルデータと比べてリアルな情報を素早く得ることができます。

 

投資戦略の差別化が図れる

トラディショナルデータと異なり、限られた人だけがデータを入手できます。従って、他の投資家よりも、投資判断に有益なデータをもとに投資戦略を図ることにつながります。


 

△デメリット


オルタナティブデータプロバイダのサービス利用料金がかかる

オルタナティブデータの活用例でも述べた、THSOS(タソス)やOrbital Insight(オービタルインサイト)のように、オルタナティブデータプロバイダを利用する場合、そのサービス利用料金がかかってしまいます。

 

一からオルタナティブデータの収集・分析チームを導入するには、莫大な人材・データ購入コストがかかる

オルタナティブデータの収集や分析をするためには、データを解析する専門性やプログラミングの高い技術力が必要です。専門性や技術力が高いため、伴って人件費も高くなります。エンジニアなどの人件費を含めた維持費だけでも年間8000万円から1億円ほどかかると言われています。また、外部から位置情報や衛星画像などのデータを購入する場合、データ購入費用も必要です。データセットあたり数百万円から数億円※2と言われており、非常に高額な費用です。

リソースコストが高いことから、個人投資家がオルタナティブデータを活用するには、ハードルが少し高いでしょう。

 

個人情報などの情報取り扱いリスクに注意が必要

クレジットカード利用データなど、オルタナティブデータの性質上、個人を特定出来るデータが含まれていないか、またデータそのものに法的な問題がないかを、データ購入時や自らデータ収集を行う際に注意を払う必要があります。また、データプロバイダ側とデータ内容の確認や交渉を行うことで、データ購入プロセスに長期化する可能性もあります。


 

 

 

以上のように、オルタナティブデータを活用するメリットは、他の投資家よりも有利に投資判断を行うことができる点です。一方で、オルタナティブデータの導入コストは高く、費用対効果が十分であると言いづらい場合があることが挙げられます。そして、個人情報などが含まれるデータを扱う場合も多いため、オルタナティブデータを扱う際には、個人情報保護のリスクには細心の注意が必要です。

また、オルタナティブデータに注目が集まることは、トラディショナルデータと同様な価値となりかねません。今後より多くの投資家がオルタナティブデータを得られるようになれば、オルタナティブデータの価値も下がる傾向にあるでしょう。

 


※2 出所:伊藤健(野村證券金融工学研究センター),佐藤工大(野村総合研究所)「資産運用におけるオルタナティブ・データ活用の可能性と課題」,pp.147

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回はオルタナティブデータについて簡単に解説しました。

 

オルタナティブデータは、米国や中国を中心に活用が進む中、日本では利用料の高さなどを背景に、個人投資家や日本の運用会社への普及はあまり進んでいません。日本でも徐々に認知が広がり関心度が高まる中「オルタナティブデータを個人利用したい」という要望は増加しています。

 

株式会社handsは、5月より個人投資家向けにオルタナティブデータの提供を開始しています。
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本記事の引用元:https://peragaru.net/6511/